【コラム#10】ヘルスケア参入は果たしたが、次に何をしたら良い?
ヘルスケア事業に新規参入する企業は多いのですが、実際には素晴らしい成果を上げている会社もあれば、そうでない会社もあります。
A社は短期間でどんどん新しい契約につながったり、積極的に新しい製品の発掘をしたりしています。その一方でB社は「とりあえずヘルスケアに参入してはみたけども、次に何をしていいかわからない」とのこと。
A社もB社も、スタート地点は同じです。ヘルスケアの事業分野や業界に対する知識も経験も全くない状態でした。しかしながら、みるみるうちに差がついてきたんです。
うまくいっている会社は、あることをしています。それはいろんなヘルスケア業界の関係者に、どんどんアタックして、話を聞きに行っていることです。
「先生、話を聞かせてください」と伝えて、真剣に話を聞いて議論します。
「途中でやめました」とは、決して言わないんです。継続的に訪問して、ドクターと議論を重ねます。そうして継続した結果、新しい製品のラインナップの充実など、目に見えた成果につながっているのです。
その一方で、とりあえず参入はしたものの、それ以上進展がない会社には、こんな行動パターンがあります。最初は話を聞く姿勢があるのですが、二回、三回とミーティングを重ねても、事前相談ステージから進展していない状態です。
どうしてこのような差が生まれたのでしょうか?
成果をあげている会社、まだうまくいっていない会社、その両方を拝見していますと、根本的な違いがあることに気がつきました。それはマインドセット、新規事業メンバーの心の持ち方の違いです。
新しい分野での製品開発がどんどん進んでいる会社には、共通点があります。フットワークが軽くて、いろんなところでどんどん情報を集めているんです。それを続けているうちに、「どんなニーズがあって、どんなビジネスが求められているか」が、具体的に見えるようになってきます。
そうしたプロセスが必要だということがわかっているから、「それは今のところ必要ない」と言われるのが、こわくないんです。
その反対に「いい印象を与えたい」「一回で成果を出したい」と最初から思っていると、こわくて話が聞けなくなってしまいがちです。「ここで変なこと言っちゃったらどうしよう」と、失敗をおそれてしまうんですね。構えすぎているあまり「やっぱりこわい」と、尻込みしてしまうのです。
実は、たったこれだけの差がその後の進捗に大きく影響を与えているのです。
新規事業に参入する際は、このマインドセットの持ち方がとても重要です。皆様がそれを意識して短期間で成果を出して頂ければと祈願しております。