【コラム#1】ニーズのセカンドオピニオン〜自信を持って開発を進められますか?〜

先日、あるクライアント様からこのようなお話を聞きました。

「原先生、ご相談なのですが、これまで数年に渡り、ある有名な先生と医療機器を共同開発してきたんです。これから上市、販売というところなのですが、社内で『本当の他の先生もこれで悩んでいるのだろうか、買ってくれるのだろうか』という疑問の声が挙がってきたんです。例えていえば、ニーズのセカンドオピニオンが欲しいんです。」

患者が納得のいく治療方法を選ぶために別の医師に「第2の意見」を聞くことを「セカンドオピニオンを求める」と言いますが、こちらのクライアント様はそれに例えてこのように仰っていました。なぜ、医療機器を開発する際にもニーズのセカンドオピニオンを求めることが必要だったのでしょうか?

学術的に有名だったり、業界トップクラスだったりする医師の意見が、必ずしも一般的な医師の意見を反映しているとは限りません。そのため、様々なユーザーの声に耳を傾け、独りよがりな製品・サービスの開発を防ぐことが大切なのです。

ところが、実際には「長年一緒に研究開発をしてきた先生がいるのに、他のグループに意見を聞くのは先生に対しての裏切り行為だと思われてしまうのではないか」と忖度し、秘密保持に該当しないことであっても、他の医師に意見を求めることを躊躇する人が少なくありません。

また今回のクライアント様は実際には医療機器の共同開発先の医師と同じような意見が出そうな他の医師をセカンドオピニオンの相談先として選んでいたため、セカンドオピニオンの意味をなしていませんでした。

それでは自信を持って開発を進めていくことはできません。

単に上市、販売するだけでなく、医療現場でしっかりと受容される製品・サービスを開発するためには、早い段階で複数の医療従事者からニーズを確認・検証することが大切なのです。

とはいえ、いきなり共同研究者の医師と一緒に研究をしていない他の有名な医師に意見を聞くのはハードルが高いというのが本音でしょう。

そのような時は、製品・サービスのユーザーでなくても良いので、知り合いの医師に話を聞いてみるなど、心理的障壁が低いようなところから始めることをお勧めします。

はじめは少し怖いかもしれませんが、自分がアプローチしやすいところを探して意見を聞きに行ってみることが大切です。

その行動力こそが後から「本当にこれで良かったのか?」と後悔しないために必要なことなのです。

About the author: 原陽介

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