【コラム#3】医療ニーズの目利き〜その意見は本当に正しいのか?〜

以前、弊社のクライアント様から「先日、新しい医療機器を自社販売するかどうかを検討する際に、先生に意見をもらうためにインタビューを実施しました。ですが、その結果を踏まえて、自社でどの医療機器を取り扱うかを検討したときに、ニーズの目利きができなくて困っているんです。」というご相談を受けました。

実際にクライアント様が情報収集されたことを伺ってみたところ、市場性や技術、規制対策など、多様な評価項目を使っており、しっかりと分析しているように見えました。しかし、それらの中である視点が抜け落ちていたことが、ニーズの目利きができない原因だと分かりました。

それは開発チームのメンバー自身が、その分野の医療機器の現状について十分に把握しているか(土地勘を持てているか)ということです。

インタビューをすれば目利きができるかというと、そのようにはうまく行かないことが多いです。医師は医学の専門的知識や技術について何十年も学び、研鑽を続けていますが、ビジネスに関する知識や技術についても長けている先生は少ないです。

例えば、耳鼻科医なら耳鼻科に関する医療機器開発の知識も豊富に持っているかというと、必ずしもそうとは限りません。

そのため、例えば、医療機器について医師によって使うか、使わないかというような個人的な意見は出てくるものの、ビジネス的な観点でその製品が医療現場に本当に必要なものは何なのかどうか、より事業を発展させるためにはどのようにするべきかという意見はなかなか出てこない場合が多いです。

では、ニーズに関する情報を集める時に何に気をつけたらよいのでしょうか?

それは情報集めで大事なことは、少数の医師の意見だけを鵜呑みにするのではなく、自分で医療現場を見る、体験する、色々な場で話を聞く等して、腑に落ちるまで多角的に情報収集をすることが大事になってきます。

遠回りに見えるかもしれませんが、実はそれが一番の近道と言えるでしょう。

About the author: 原陽介

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