【コラム#6】医療者へのインタビューの5W1H

私たちは医療機器等の開発に際して、開発企業から医師へのインタビューのお手伝いをすることが多く、今まで様々な案件に関わってきました。製品を開発する上で医師に話をきくことは大事なことですので、お声掛け頂けることはとても嬉しく思います。

ただ、その際によく感じているのは、何のためにインタビューするのか、結果を何に使うのか、どのように生かすのか、そこを明確にしてからインタビューを開始した方が良いのでは?ということです。

クライアントからインタビュー支援の御依頼を頂くときに、その目的で一番多いのは、既にある製品やプロトタイプの評価をして欲しいというご要望です。既に完成した製品がある場合はそれに対してコメントしてもらう、製品がまだ完成していない段階ではコンセプトそのものに対しての意見をもらうなどです。

「良いかどうかがわからないからとりあえず先生に聞いてみよう」という進め方がよくあります。先生からのはじめのコメントを聞いてから、評価を考えようということです。

しかしこのやり方では方向性を誤ったインタビューになる可能性があります。実際に医師インタビューをする側もされる側も経験して感じることですが、実際の製品にはユーザーの立場から賛同できる点も、課題点もその両方があり、聞き手の意図を汲んで答えることが多いということです。

また、

・インタビュー結果をどのように活用する予定なのか

・社内の意思決定上、何がわかっているとプロジェクトが前に進むのか

これが明確にならないままインタビューを始めてしまうケースも多く見られます。

私がよくお伝えしているのは、インタビューする際には5W1H、つまり「誰に、何を、何のために聞くか、その結果を事業にどのように活用するのかを明確にしましょう」ということです。

例えば試作品の評価であれば、どのような専門性を持った医師から試作品の評価をもらい、そこで出てきた意見を何に使用したい、などです。

そこが決まれば「こんなことを訊いてみよう」という風に質問の内容も明確になります。議論を深めることで「そもそもこのニーズが合っているのかを確認したい」など、もっと前段階の疑問も生まれてくるかもしれません。

医師へのインタビューは、企画している段階で目的を明確にすることがより良い結果を得られるのではと思います。

あなたは5W1Hを明確にしたインタビューができていますか?

About the author: 原陽介

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